仮想通貨のステーキングは、ネットワークのセキュリティを確保し、参加者に報酬を提供する方法として広く利用されています。しかし、ステーキングされた資産は他の用途に使用できず、その機会コストが問題となっていました。
この課題を解決するために登場したのが「再ステーキング」です。再ステーキングは、すでにステーキングされた資産を使って別のプロトコルに貢献し、報酬を増やすことができる手法です。
再ステーキングの革新
再ステーキングの目的は、ステーキングによってロックされた資産を他のプロトコルに利用することで、複数のプラットフォームで利益を得るとともに、ネットワークのセキュリティを強化することです。これにより、ユーザーは単一のステーキングで得られる利益にとどまらず、他のDeFi（分散型金融）プロジェクトにも参加し、追加の報酬を得ることが可能になります。
KernelDAOの役割
再ステーキング技術を普及させるために注力している企業のひとつがKernelDAO（カーネルDAO）です。
このプラットフォームは、Ethereum（イーサリアム）やBNB Chain（BNBチェーン）を跨るマルチチェーン再ステーキングインフラを提供しています。KernelDAOは、23億ドル（約3400億円）以上の総ロック額（TVL）を誇り、再ステーキングのプロジェクトを支援しています。
Ethereumでの再ステーキング
KernelDAOの「Kelp」プロトコルは、Ethereumネットワーク上で流動性のある再ステーキングを実現しています。
この仕組みによって、Ether（ETH）をステーキングしたユーザーは、取引可能なトークンを受け取ることができ、さまざまなDeFiプロジェクトに参加することが可能となります。Kelpは、既に40以上のDeFiプロジェクトと提携しており、参加者に多様な利回りの機会を提供しています。
BNBチェーンでの再ステーキング
KernelDAOは、BNBチェーン向けにも再ステーキングレイヤーを提供しており、このプロジェクトの総ロック額は400百万ドル（約60億円）を超えています。これにより、Zero-Knowledge証明（ZK証明）やクロスチェーンサービス、オラクルなど、さまざまな分野において30以上のプロジェクトが再ステーキングに関心を示しています。
利回り最適化の簡素化
KernelDAOが提供する「Gain」は、ステーキング資産をさらに活用して利回りを最大化するための製品群です。このツールは、DeFi戦略を簡素化し、ユーザーが多くの投資機会を享受できるようにサポートします。Gainを使用することで、ユーザーは複雑な手続きなしに、より効率的に報酬を得ることが可能となります。
再ステーキングの未来
再ステーキング技術は、今後さらに多くのブロックチェーンや現実世界の資産（RWAs）にも適用されると予測されています。
KernelDAOは、単一のガバナンストークンであるKERNELを通じて、すべての製品の意思決定を一元化し、再ステーキング技術の進化を支えています。これにより、将来的にはビットコインや他の資産クラスにも再ステーキングの利点が広がると見込まれています。
