米国の暗号通貨市場全体の時価総額は月曜日に3％下落した。これは、ドナルド・トランプ大統領が、既存の金属関税に加え、すべての鉄鋼およびアルミニウム輸入に対して新たに25％の関税を課すと発表したことを受けたものだ。
トランプ氏は日曜日、NFLスーパーボウルへ向かう途中で記者団に対し、この新たな金属関税を月曜日に発表する予定であると述べ、貿易政策の大幅な見直しの一環として関税措置を強化する意向を示した。
さらに、火曜日または水曜日には報復関税を発表し、ほぼ即座に実施されると付け加えた。これらの関税はすべての国に適用され、それぞれの国が課している関税率と同等の水準になるという。
米国は主にカナダ、ブラジル、メキシコから鉄鋼を輸入しており、さらに韓国とベトナムも主要な供給国となっている。
ビットコインは0.5％下落し96,871ドルに、イーサリアムは1.5％下落し2,627ドルとなった。XRPは4.2％下落し2.39ドル、ドージコインも同様に4.2％下落し0.2486ドルとなった。
仮想通貨の取引量、トランプ政権前の水準に低下
10Xリサーチの報告によると、取引量は急激に減少し、トランプ氏の当選前の水準に戻ったという。また、「ビットコイン戦略準備金」発表の詳細が明らかになるまでに最大6カ月かかる可能性があるとされている。
この不確実性にもかかわらず、経験豊富なトレーダーはアルトコインからビットコインへと焦点を移し、ビットコインの市場支配率は60％以上を維持している。その結果、最近のアルトコインやミームコインの急騰はすぐに収束し、市場全体がビットコインへとシフトしていることを示唆している。
また、先週もデジタル資産市場の参加者にとって厳しい状況が続き、全体的な下落が市場全体に影響を及ぼした。
関税が経済減速を引き起こし、仮想通貨市場を揺るがす
Unity WalletのCOO、ジェームズ・トレダノ氏は、特にビットコインがマクロ経済の混乱に強く反応することを指摘した。
「関税の発表は経済減速の可能性を示し、投資家のリスク回避姿勢を強め、伝統的な資産とデジタル資産の両方で売りが誘発される」と彼は述べている。
外交政策の決定は、世界経済の見通し、流動性の状況、投資家の行動に影響を与え、仮想通貨市場の変動を引き起こすことが多い。さらに、彼は不透明さが市場の混乱を助長する一方で、明確な政策がポジティブであれネガティブであれ、市場の安定に寄与することを説明し、明確な方針の重要性を強調した。
「これと同じ状況は、トランプ政権の最初の任期中にもあったことを忘れてはならない。関税の導入は、輸入品のコスト上昇を通じてインフレ圧力を引き起こすことが多い。興味深いことに、2018年から2019年にかけてトランプ政権の政策はインフレを引き起こさなかったものの、金融市場や仮想通貨（特にビットコイン）には、現在とほぼ同様の大きな影響を与えた。」
アナリストによると、ビットコインの現在の価格調整は、市場の大きな変化が起こるまで続く可能性がある。その要因として、規制の大きな発表、ビットコインネットワーク内の技術的進歩、投資家心理に影響を与えるマクロ経済の変化などが挙げられる。特に、個人投資家の関心の低下も市場動向に影響を与える可能性があるという。
「しかし、現在の仮想通貨市場は3.2兆ドル規模の巨大市場であり、昨年の同時期にはビットコインの価格は約47,000ドルだったことを考えれば、今のところ市場は健全な状態にあるといえる。」
